第14回cozy ripple名言・流行語大賞発表

 
 今年もcozy rippleにさまざまな名言・流行語が生まれました。
 僕が40歳になったということもあり、僕の人生に連動するブログ活動もまた、今年は節目の年になったように思います。1年間の日記を読み返して、しみじみと感じたことは、僕はどんどん世界が狭くなっている、ということです。でもそれは決して後ろ向きなことではなくて、持っている興味や愛着の量は変わらず一定で、これまでは体外にも漏れ出ていたそれが、今はすべて自分自身に注がれるようになったのだと思います。今年のエントリーワードに、女の子に関連する言葉は一切ありません。それってこれまでのことを思えば、とんでもないことではないかと思います。新しいフェーズに入ったらしい僕による、今年のエントリーワードは以下の通りです。



GOOD AND BAD

 前年度から行なっていた、ショーツにオリジナルデザインのフレーズをアイロンプリントする試みの中で出た言葉。全文は「TOO BIG IS GOOD AND BAD」で、意味は「大きすぎるっていうのも良し悪しだぜ」。あるときから僕はやけに自分のことを巨根であると主張するようになったが、それがあまり世の中から真に受けられていない気がしていた。しかしこのフレーズの出現によって、僕の巨根ぶりというのは一気にリアリティを帯びたと思う。巨根はいいことだけじゃない。それは巨根を詐称する人間には決して言えない言葉だ。巨根を詐称する、本当は巨根でない人間には、巨根の暗部は見えない。巨根の作る影が、大地の草花を枯らしてしまう哀しみ。巨根の既成事実化がこれによって実現した。



クラショー

 ショーツアイロンプリント企画の究極形として、学園祭などで高校生が作るクラスオリジナルのTシャツ、あれのショーツver.を、俺(女子校勤めの教師)の担任するクラスは作ることにして、全員お揃いのピンクと白のコットンボーダーショーツに、前面には「WE ARE SECOND D!」、背面にはクラス全員の名前をプリント、というところまではよかったが、あろうことか同じデザインのものを俺の分まで、しかもご丁寧なことに俺のだけは、なにぶん俺だけ女生徒とは体の仕組みがちょっと異なっているもんで、それのための膨らみを持たせた型で作ってくれたもんだから、惑ってしまうし、さらにはちゃんと穿いたかどうか、HRで全員の前で確認させろだなんて、参っぜ! というコンセプトで作ったショーツのこと。倉敷商業高等学校ではない。



おもひでぶぉろろぉぉん

 今年はじまった大型企画。今年の9月で40歳になり、そして来年の2月でcozy rippleが開設して20周年になるという節目を意識し、このあたりで過去の日記を読み返していこうではないかと思い立った次第である。企画名は「おもひでぽろぽろ」のオマージュで、僕が服を脱いでちんこを外に出すときにいつもする音(たぶん風の音)から採った。来年の2月までにすべての記事を読み終えることができるかどうか微妙なところだ、と開始宣言の際にのたまっているが、企画が開始して10ヶ月ほど経った現在、2005年7月から2006年いっぱいまでの、1年半ほどしか読めていない。この分だとこの企画は、25周年に合わせて開始したものということになりそうな情勢である。



ばか

 「おもひでぶぉろろぉぉん」で2005年秋の日記を読んでいたら、大学4年生だというのに就職活動のことには一切触れず、触れずというか、本当にしていなかったのだけど、その代わりに日々生産した折り鶴の数の報告をひたすらしていて、そのあまりにも分かりやすい逃避のさまに、それから20年ほどの歳月を経た僕が、当時の僕に向かって、愛を込めて送った言葉。あなたへの抗議を込めたためいきにそれでも愛を含んでしまう。



のび助

 去年から作り続けたガーリーライクショーツが、概算で150枚ほどになり、さすがに作るのも穿くのも新鮮味が薄れてきたので、異なるコンセプトでの製作を思い立つ。それまではガーリーライクということで、1枚布の、フロントにほぼ立体感を出さない型だったが、それとは大きく方向転換し、2枚の布を中央で縫い合わせることで、体前方に突き出すちんこの形を再現し、どこまでもちんこを甘やかし、ちんこが一切の窮屈な思いをしないで済むようなものにした。息子にのびのびと生きてほしいという願いに共鳴し、この計画および完成した新しい型のショーツのことを、かつて絵描きを目指していたという彼の名前で呼ぶことにした。



バカ! やめろ!

 ちんこの形状に合わせたショーツ作りでいちばん厄介なのは、「ちんこの形状」というものが、まるで一定ではないという点である。寒くて縮こまっているときと、ぬくもりの中でフル勃起しているときでは、体積が何倍も変わってくる。であるから、のび助ショーツは、その無段階調整ちんこの、しかしどこかしらの段階に合わせるしかない。では果たしてそれはどこが正解なのか。それを模索するため、何枚か試作品を作った。すると、はじめは遠慮がちだった前面の膨らみが、完成して試着するたびに、もう少しいけるな、まだ小さいな、と巨大化してゆく。しかし思うがままにどんどん巨大化させていったが、最終的にこの着用姿というものは、常識的に見て有りなのか無しなのか。もはや自分では分からなくなったため、ファルマンに見てもらう。そのファルマンが、ひと目見るなり言った言葉。



12年後

 2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、なんとなく気持ちを新たにしたかったこともあり、11年の4月に「KUCHIBASHI DIARY」から「USP」へとメインブログは移行した。しかし「KUCHIBASHI DIARY」は終わったわけではなく、山場を越えたあと一気に「〇年後――」みたいになる物語のように、12年したらまた記事を投稿するという予告をしていた。予告をした12年前は、7割くらい本気で、3割くらいは冗談だったと思う。今年がその年であり、宣言通り12年ぶりに記事を投稿することができた。これはブロガーとしてとても感慨深い出来事だった。「KUCHIBASHI DIARY」発の言葉がこの賞にノミネートされたのも、もちろん2011年以来12年ぶり。関係者およびファンのすすり泣きが聴こえる。もうみんないい歳だな。



MCN時代

 「おもひでぶぉろろぉぉん」関連語。就職活動を一切せず、そのまま大学の卒業を迎え、それなのに卒業の直前に実家を出て、ファルマンと同じアパートの別の部屋に住み始めるという、いま思えば本当に無鉄砲な行為の結果、平日の日中は普通にファルマンは出勤するため、僕ばかりが異常に時間を持て余すこととなり、なにをしていたかと言えば、鶴を折ったり、文章を読んだり書いたり、近所のコモディイイダで稲荷ずしを買って食べたりしていた。その稲荷ずしのように、甘ったるく、そしてしょっぱい期間の名称。無職・コモディイイダ・中村橋店の略。



屈託

 「おもひでぶぉろろぉぉん」関連語。MCN時代の手書き日記にはかなり内省的なことが書かれていて、それから18年が経ち、わりと最近になんだかんだありつつも、それでも今現在なんとか家族を養い、生活を成り立たせている人間が読んでも、精神を向こう側に引っ張られる感じがあり、ヒヤリとした。手書き日記の中で憂えている、就職活動ができないプライドの高さは、要するに他者に対する警戒心、心の開けなさに起因するのだと喝破した。そしてそれは「品」などと同じで、持って生まれる者と持たずに生まれる者がこの世にはいて、その設定は後天的にはどうしたって覆しがたいため、これはもう自分の性分の一部(大部)であると受け入れ、生きてゆくしかないのだと悟った。



ぷりぷり

 鼻炎薬を服むと金玉肉袋が寛ぐということを実体験から知っていて、やはり金玉肉袋はキュッと締まっているよりも、デロンと存在感を出していたほうがいいと思うので、できれば常にそうありたいものだと考え、おそらく鼻炎薬のそれは血流改善によるものであると推察し、その目的のためにハイカカオチョコレートを食べる習慣を作った。結果、金玉肉袋はたしかにそれまでよりも弾力を増したように思った。これはその効果が現れた金玉肉袋のさまを表した言葉。しかし夏場はせっせと食べていたが、味気ない味にどうにもこうにも飽きてしまい、11月現在、今はあまり食べていない。気温も下がってきて、金玉肉袋は文字通り冬の時代へと突入している。



PESSAT行動

 のび助ショーツは行く所まで行って、とうとう勃起状態に照準を合わせた型のものを作り出した。しかしショーツを穿いたまま勃起できるのはいいが、いくら僕が三国一の勃起者とは言え、勃起をしている時間は勃起をしていない時間よりもどうしたって短い。であれば勃起対応ショーツの勃起のための膨らみは、その空間を埋められずにいる時間のほうが長いということになり、それはあまり精神衛生上よくないのだった。これをファントムエレクトシンドローム(PES)と呼び、その対策として、埋められずにだぶつく生地を内側に折り込む技法、これをショーツアコーディオンテクニック(SAT)と呼ぶ。併せてこの一連の振る舞いのことを指す言葉。かつてはペッサットと発声したが、最近では現地の発音に寄せてペザトとすることが多い。



偏狭

 前日に子どもの付き添いで天文イベントに参加したら、エアコンの設定温度が寒かったこともあり、本当に心が冷えきって、途中で食べた自前の弁当のおいしさだけが救いだった、ということをファルマンに報告したところ、「結局あなたは本当に自分のやることしか好きじゃないんだね」と呆れられ、どうもそのようだと自覚を持った。ショーツ作りも、筋トレも、結局すべては自己愛だ。自分のために自分がすることだけが好もしい。屈託と併せて、これは僕という人格を表す二大要素かもしれない。とことん接しづらい奴だな。



抵抗精力/ペニスイム

 なんだかんだでスイミング習慣はずっと続いているが、はじめたときに較べて泳ぐのが上達したかと言えば、決してそんなこともない。その理由として、途中からショーツ作りの延長としてスイムウェアも自作するようになったのだが、そのスイムウェアというのが、既製のシュッとしたものに対し、スイムウェアにしてはわりと股間部の膨らみをちゃんと作ってやっている(常識のギリギリ範囲内で)、のび助タイプのものだからで、これもまたやはり巨根の光と影だが、膨らみを作らないわけにはいかないし、しかし膨らみがあるとその分だけ水の抵抗は増すのである。それはもちろん泳ぐ上で不利でしかない。でも僕はそれを受け入れるしかない。巨根という枷。僕はそれを背負いながら、それでも泳がなければならない。



不惑不出

 ちんことは幸福感の収斂装置というか、しあわせのポンプみたいなもので、前後にこすることで、僅かしかなかった自信や満足感が、どんどん増幅してゆく。だから本音を言えば、いつでもどこでもこすっていたい。一日の大半をひたすらそれに費やしたい。しかしこすり、さらなる高みを目指そうとすると、やがてピークが訪れ、その瞬間だけはめくるめくハピネスではあるけれど、そのすぐあとに強い喪失感が襲ってくる。ましてや40歳ともなると、ポンプがまた使えるようになるまで時間が掛かるのである。だからこれまでよりも、いかに出さず、ゆるやかな悦びを長く保たせられるかに執心するようになった。もしも僕が今後、大関に推挙されることがあれば、この精神で精進したいと思う。



 以上です。
 いやあ、今年もさまざまな名言・流行語がcozy rippleを彩りましたね。
 惜しくも最終候補から漏れたものでは、「これがほんとのアルゼンチン」、「ちんこに添わせれば、神羅万象ありとあらゆるものはショーツになるのかもしれない」「えらちんぽ」「ちんこバカ」「ショーツのプール」「丘MAX」「るひるひにたりお」「こちんもり」などがありました。
 というわけで、それではお待たせしました。いよいよ今年のcozy ripple名言・流行語大賞を発表したいと思います。今年のプレゼンターはこの方、長友佑都さんです。
「ブラボー! ブラボー! ブラボー! 夢で見たとおりです。チームメイトも、監督も、スタッフも、サポーターのみなさんも、日本で応援してくださったみなさんも、みんなブラボー! 今年のcozy ripple名言・流行語大賞、すべてのエントリーワード、ブラボー! すごすぎる。本当に感謝したいです。はい、大賞ですね。発表します。新しい景色を見るための大賞は……、おもひでぶぉろぅらぁぁぉぉぼ! です!」
 憧れるのはやめましょう! 11月下旬から12月に大会があったせいで、今年のユーキャンのやつに一個も言葉がエントリーされなかったサッカー界から、明らかに狙いに行っていた長友選手による魂の結果発表でした。最後の肝心のところで感情が溢れてしまい、自分のギャグと混ぜてしまったため、こちらで改めて発表いたします。
 今年の大賞は「おもひでぶぉろろぉぉん」です。やはり今後数年にわたって展開されるであろう記念事業が、今年を象徴する言葉として大賞に選ばれました。
 はい、ただいま私のところに選考の詳細が届きました。おおっ、これによりますと、鳥取県の平井知事による「ちゃんとじーみーちー」との得票差は、わずかに三苫の一ミリだったとのことです! なんともしびれる展開! 感動をありがとう! ちなみにエントリーワードたちの退室したあとのロッカールームはきれいに掃除され、折り鶴が置かれていたそうです! ばか。
 そんなわけで今年もつつがなく終了した第14回cozy ripple名言・流行語大賞でした。それではまた来年、お目にかかりましょう。いまから僕だけ愉しみですね。ちなみに早くもpuropediaに今回の結果が更新されております。素早い! 運営優秀!