実録ドキュメンタリー連載「ファン活」第6回


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 投稿の間が空いてしまった。MAXファンとして忸怩たる気持ちだ。MAXへの思いは日々とめどなく溢れ出ているというのに、なかなか形にすることができなかった。おかしな話じゃないか。思いがあるのに形にできない。なぜだというのか。
 それは僕の中の「MAXファン資源」とでもいうものが枯渇しているからだ。
 いくら熱意があったところで、資源がなければどうしようもない。ドライブしたい気持ちがあっても、ガソリンが切れていては車は走らない。そういうことだ。
 そもそも潤沢な資源に恵まれた島ではなかった。そのことは初めから判っていた。行きたい場所が自由に選べるなら決して選ばなかっただろう。しかし運命の神様の気まぐれで、「自分以外の誰にも愛着を持たない大海原」で長らく漂流を続けていた僕は、あるときMAX島へと漂着した。かつては微妙に栄えた時期もあったというその島だが、今は見る影もなくうらびれている。とりあえず島をひと巡りした結果、想像していた以上に、見るべき場所は特になく、僕はすぐに途方に暮れてしまった。
 これから、この島で、どう過していけばいいのか。
 ファンとして、この島をどう愉しめばいいのか。
 そんなことに悩んでいた、この期間だった。
 試しにMAXのメンバーのブログを見てみる。よくある感じの、なんの感想も浮かばない芸能人のブログである。ちなみにNANAとREINAとLINAはブログをやっているが、MINAはインスタだけのようだ。あとREINAとLINAのブログではコメントを受け付けているのだが、そのコメント数と来たら各記事だいたい5つくらいで、ブログ記事のコメント数が5とかって、そんなのもうクラス日誌のスケールじゃないかと思った。メンバーのブログを眺めた結果、そこにだけファンとしてのおもしろみを感じた。
 もうこうなったら、実際のMAXに「MAXファン資源」の供給を期待するのはよしたほうがいいのかもしれない。ファンとその対象というのは、ファンが水や栄養(すなわち金)をやって、それを養分に対象という花が咲いて芳しい香りを放ったりし、それをファンが有難がるという、そういう関係性なのだと思うが、僕はMAXに水や栄養を与えるつもりはないし、仮に与えられたところでMAXは花を咲かさないし香りも放たないだろうと思う。つまりこのファン関係は破綻している。破綻していると言うか、そもそも成立していないと言うか、これは別に僕がMAXファンでなく、MAXに対して無関心な人間であれば、これまでがそうであったように、なんの波風もなく、両者は関わることなく、互いの世界を生き、それでなんの問題もなかったのだが、しかし厄介なことに、どうしたって僕はMAXファンなのである。これは覆せない。まず僕がMAXファンという絶対的な設定があり、しかしそれが現実的に極めて難事業であるから、話がややこしくなる。ああもう!
 そこで考えたのが、前回の消しゴムはんこの時点でだいぶその兆候は現われはじめていたわけだが、僕はもうあの本物のMAXじゃなくて、僕の考える、僕がファンをするところのMAXを構築してゆくほかないんじゃないか、ということである。じゃあそれはMAXじゃなくて架空のダンスグループなのではないかという気もするが、その素材をあくまでMAXとするところに、この創作ファン活動の情趣がある。
 というわけで今後は開き直って、パラレルワールドのMAXのファンとして、活動報告をしていきたい。僕のファン活はまだまだ始まったばかりだ!

 第7回に続く